July 12, 2010

このうどん屋が成功する秘密

『何故、このうどん屋は流行っているのだろうか?』

街角にある小さなうどん屋だった。

暖簾の奥を覗くと、お世辞にも綺麗とは言い難い店内だった。


使い込んだ小さなカウンターと四人掛けのテーブルが二つが並んでる。

『きつねうどん五百円』『てんぷらうどん六百円』等と定番のお品書きが壁に掛かっている。


誰が見ても、普通のうどん屋だ。


特別に旨いダシを作っている訳でもない。

自家製の麺でもない。

値段が安い訳でもない。

変わったメニューを出している訳でもない。

有名な調理人がいる訳でもない。


普通のうどん屋だ。

60歳前後のご夫婦とその長男夫婦の四人で切り盛りしている普通のうどん屋だ。



しかし、その街では評判のうどん屋。

何故か?

その答えは『出前』にあった。

『出前』を担当するのは、主に長男が担当している。


独り住まいの高齢者がそのうどん屋に出前を頼むと、彼はその品物を自宅まで届ける。

注文の品物を渡す時、彼は言う。

「○○さん、お元気ですか?何か変わった事は無いですか?」

彼はその高齢者の様子を確認する。

万一、その高齢者がいつもの様子と違っていたら、彼は直ぐに身内の方や緊急連絡先等に連絡する。


代金を頂き、その高齢者の自宅を出た後、彼はその方のご近所の方にも声を掛ける。

「お元気ですか?何か困ったことはありませんか?」

「なんでも相談に乗りますよ。」

その高齢者が介護を受ける方等で本人の了解を得た場合、その日の状況を包括支援センターやケアプランセンターのケアマネジャーに報告もする。

「今日も元気でしたよ。うどんを美味しく召し上がっていましたよ。」と担当ケアマネジャーに伝える。

大きな変化が無くても、その日の様子を伝える。

「いつもと変わりなく元気でしたよ。」


その報告はケアマネジャーも嬉しい。

介護の事業所からの定番の報告も大切だが、このうどん屋からの連絡も貴重な情報になっている。



『あのうどん屋は安否確認をしてくれる。』

この噂が評判になり、うどん屋はご近所からの出前がドンドン増えている。



そこは出前をするだけの『うどん屋』のではなく、地域の方を大切にする『見守り事業所』になっている。



このうどん屋の『出前スタイル』が、これからのこの国を支える仕組みになるだろう。


kurumimochi2007 at 10:01│Comments(0)この記事をクリップ!

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